超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

物語でつながる円環 『世瞬』Vol.3

 5月29日(日)からオンラインショップにて『世瞬』Vol.3を発売します。

 世瞬舎がお送りする新世代の文芸誌、第3弾。せいしゅん、と読みます。Vol.1,2はフリーペーパーとしての発行でしたが、今回思いきって有料誌に切り替えました。その分、内容もパワーアップしています。

 

 本の世界に飛び込む少女と、つながれそうでそうならない瞬間の「手」が目印。

 

 イラストを描いてくださったのは、てくだてくてくさん。表紙・本文デザインは瀬戸千歳さん。

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 7名の作家さまに寄稿いただきました。

 

 神谷京介さん(※ご本人 自称17才の自営業、無職) 

 「今のわたしがとどかない場所」

 担当は「春」の物語

 

 北木鉄さん「さかみち」

 担当は「春」の物語

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 百瀬七海さん「優しい雨がふたりを廻る」

 担当は「梅雨」の物語

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 てくだてくてくさん「君と夏雲」

 担当は「夏」の物語(イラスト作品)

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 岸正真宙さん「リコリスの唄」

 担当は「秋」の物語

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 涼雨零音さん「天国の扉」

 担当は「冬」の物語

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 佐鳥理さん「彼方へ」

 担当は「冬~早春」の物語

satorisatori.jp

 

 

 季節をリレーする構成にはなっていますが、各作品は独立した物語です。ですが、どこかで瞬間の記憶を同じくしているような、不思議なつながりを持ってもいます。

 

 どうも昔から、完全性や永遠性の象徴ともいえる円や球に惹かれる傾向があります。  

 また、始点と終点のない円環は、線に沿うとするならば、永遠にループする構造でもあります。

 

 ループという言葉で思い出すのが、スティーブ・ライヒの『Music for 18 musicians(邦題:18人の音楽家のための音楽)』です。

open.spotify.com

 こちら1時間弱ほど同じ旋律が繰り返されるアルバムなのですが、リズムによる陶酔と、相反するように頭が冴えて澄み渡っていく感覚が奇妙に心地良いです。

 

 余談でしたが、結果として、物語でつながる不思議な円環ができました。結果として、というのが重要でして、最初こそ私の方で説明を尽くしたものの、ほとんどにおいて作家さまの解釈と根気によって書き上げられたものが、結果として大小の律動する円環になっていたのです。

 

 作家さまの一人、岸正真宙さんが、この文芸誌について、先んじてほぼぜんぶ書いていただきました。

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 このように、ちょっぴり不思議な体験ができると思います。

 が、よくよく考えてみると、およそどんな本であれ、読書は不思議な体験そのものともいえます。

 私にとって青春時代は、人生においてとても意味のある時期でした。本との出会いもこのころでした。本とは知と愛の世界そのものであり、一冊一冊にひとつの世界が閉じ込められています。人生は一回きりですが、私たちは本を読むことによって、いくつもの人生や世界を追体験することができます。 

 

 この『世瞬』が、広く深い本の世界への扉を開くきっかけになればいいなあと思います。

 

 発売は5月29日ですが、今からでもオンラインショップから購入予約できます。できるかぎり発売日にお手元へお届けできるようにがんばります。

seishunsha.thebase.in

 

 送料(198円)なしで直接買いたいという方は、29日開催の文学フリマ東京でも販売しています。ぜひ遊びに来てください。

bunfree.net

 

 どちらにしても喜びます。

 また、制作過程の話(本文ページなどはまだ制作中ではあるのですが…(; ・`д・´))など、小出し小出しでこのブログに書いていきたいと思っています。楽しい本であるのはまちがいないので、ぜひお迎えをご検討くださいね。