超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

文フリ東京に出店します+近況報告

 5月29日(日)、世瞬舎は文学フリマ東京に出店します。

 

seishunsha.amebaownd.com

 

 このところ京都、広島と西日本を回っていましたが、東京は出店数も広さも段違いですね。なにやらなじみの方々とも出会えそうな気配もあります。

 

 今回は新刊『もしも世界から「I love you」という言葉が消えたなら』、『世瞬Vol.3』ほかを販売予定です。

 端っこのブースですが、これは純文学というジャンルで登録しているからです。前回は再端「あ」段だったので、目線の先に壁がありました。

 

 よい賑わいだとうれしいです。新たな方々の手に、これらの本が迎えられますように。

 

 先日のこと。ようやく新刊2刊の告知ができてほっとしています。あたたかな反応をいただけたのもうれしかったです。早くも予約してくださった方もいました。

 

 前回の近況報告でも書いたような気がしますが、本の制作は長く、繊細で、根気のいる仕事です。繊細さも根気もそこまでない私は、ただこれらの本が世に出る姿を見たいがために、ときどき倒れたり(たぶん比喩です)しながらも、多くの協力者、そして作家さまとともに、休憩しつつもがんばったのでした。そして今も進行形ではあり、製本されてできあがった本を見るまで気は抜けません。

 

 いくつかの、思うようにいかない場面もあり、理想をもって現実社会で活動していくことの難しさ強く感じました。

 私にとって、出版社とは社会貢献の一種というか、まだしも仕事である認識です。ここでの仕事の定義は、これでお金を稼ぐ、という意味ではなくて、先に書いた通り社会になにかしらの価値を提供するということです。いまだに答えは出ていませんし、おそらく貢献と聞いてふつうに想像するものとはややちがっているはずですが、本との出会いを生んで、読者の裾野を広げたい、そのきっかけの扉に世瞬舎がなりたい、その思いが根底にあります。

 

 対して私のもうひとつの仕事である作家業は、こちらは仕事でもないように感じます。瞬きの中に物語があるようなので、生きているうちに書ければいいな、と思うことそのものでしかなく、なにかしらをも決めつけてはいけません。

 

 このような中で、物語の最大の理解者であり管理者である作家さまを、可能なかぎり物語に注力してもらいたいと思うと同時に、出版社という一連の利害の元請業の難しさ、とりわけ調整仕事の大変さ、同じ方向の旗を立てる難しさは、なかなか、想像以上でした。

 気づけばまた小難しく書いてしまいましたが、もうすぐ迎えられるはずの二刊はとても素敵な本です。本たちが外の世界に出ていく姿を、私はできるかぎり目に焼きつけたいです。

 

 仕事の話ばかりになってしまいましたが、GWはよい休みがとれました(ほぼ)。久しぶりに自分の原稿を書き進めたりもできて、わ、数か月ぶりにこの子たちが動いた! と。うれしいやら不甲斐ないやらで、酒をあおりたくなりました(飲めないので、冗談です)。

 

 春はきっと、あっというまに過ぎていきますよね。晴れた日はなるべく散歩をします。ミツバチたちが花に飛び込んでいくのを見ています。写真に収めたいけれど、飛ぶ系の虫はなかなか難しいです。

 もしもお金がたくさんあれば、ライトトラップというのをやってみたいです。よくYouTubeを見ています。虫の中でも、とりわけ蛾類が好きです。