『もしも世界から「I love you」という言葉が消えたなら』、通称もしIは、全6話の短編で構成されています。目次はオンラインショップの販売ページ等にも載せています。
※現在、こちらのオンラインショップにて「購入予約」ができます。予約いただいた方へは発売日の5月26日までに発送予定です。
Prologue
第一話「星に願ったロマンス」 ▶今日はこちらご紹介します
第二話「生徒会長の悪戯な誘惑」
第三話「愛してキス、恋してきゅん」
第四話「月夜の下で抱きしめて」
第五話「いちごミルクレボリューション」
第六話「たったひとつの恋」
タイトルがどれも華やかで、わくわくしてきますね。これはもう七海さんの世界でしかなく、私も早く現物を読みたいです(今は印刷工程中です。無事にとどきますように)。
第一話の主人公、高校一年生の河野美月(こうのみづき)は、幼なじみの黒木峻(くろきしゅん)に密かに想いを寄せています。
そんな中で、保健室のベッドで気づいたら一緒に寝てる(!)という衝撃の出会いを果たすのが、一年上の新田太陽(にったたいよう)。保健室のシーンは初対面なはずなのに、よくよく読みなおしてみると、すでに息ぴったりな二人なのがいとおしかったりです。
ネクタイで色分けという学校は実在しているのでしょうか。
もしIのこの高校では、一年は赤、二年は紺、三年は緑。となっています。学年差のカップルではネクタイをお互いに交換することもあるのだとか。美月の赤いネクタイをするするっと奪ってしまい、自分で身に着ける太陽。ここから、奪われた美月のネクタイをめぐって(?)二人の物語が進んでいきます。
もしIに出てくる登場人物たちはみんなもれなく魅力的なのですが、とりわけ太陽は私個人的にも好きだったりします。マイペースでじゃっかん抜けてるところとか、星好きでロマンチックなところとか。部員は本人一人だけの天文部所属というのもいいです。なので、放課後、わりと好きにぶらぶらできていて(笑)ことあるごとに美月に近づきます。
美月はそんな太陽にしっかり振り回されていくのですが、実はどこかでちゃんとした芯を持った女の子。読み返してみると、いくつかの場面で、実は太陽ではなくて美月のほうがイニシアチブをにぎっているようにも見えます。ゆれ動くこころの中で、自分の答えを見つけようとする姿が印象的です。
どこまで書いていいのかわからなくなってきましたが、そんないとおしい二人が描かれた、青春のきゅんと、みずみずしさが詰まった第一話です。
ちなみに表紙イラストの女性は美月氏を描いています。作中のどのシーンでしょうか、そういうのを想像してみるのも楽しいと思います。