超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

2023.11.20

 こんにちは。お久しぶりです。また時間が空いてしまいました。

 便りのないのは元気の証拠と言いますが、私の場合も半分は当たっています。

 ここ最近の心模様を整理するに、強迫観念から抜け出すためにいったんあらゆる仕事から距離を取っていました。

 するとかなり穏やかに過ごせているのは事実で、であれば今までがんばっていたのはなんだったのかなぁ、とかなり気が抜けた気持ちもあります。でもこれは言葉にしようとすると難しいです。夢にも出てきます。本を作りなさいと、やっぱり自分から言われているみたいです。ただ、どうしても一人では動けないのです。だから今までも無理やりやってきたのですが、要するに無理やりやるか、普通にやらないかの二択しか、精神的な余裕も含めた経済的余裕のない貧者には残されていないのだろうな、と思っています。もう少しで、また無理やりがんばります。

 ほんとうは楽しくやっていきたいのですが、もちろん、ただどうしても、今はほんとうに心が貧困になっている気がします。財布もですが。良い循環の絵が浮かびません。地獄のような世俗に相対するのが本来の出版の仕事なわけで、それはたぶん楽しくはないのです。こういうわけで今はSNSもほったらかしている有様です。どうしても見れないのです。だから、いちおうTwitterにシェアはするけどボタンひとつでやっているので、今あの地獄の世でなにが起こっているのかは見ずにいます。だから今なにが炎上してるとか、ほんとうにわかってません。

 

 片翼があればよいのになと思います。すべての人格を一人で背負うのは、やろうと思えばできるけれど、そして一時でもそれをやって蓄財してからゆるめるのが正解なのかもしれないけれど(壊れる前にあらゆる不労所得を使って負担を減らすということ)、それができるかどうかはさりとて運にもよるし、などとぶつぶつつぶやいている人が周りにいたらきっとうとまれるだろうな、ということはわかります。かわいそうな人だと思われてもいいのですが、かわいそうな人が経営者になれるはずもなく、ここでもまた人格を多数持つことを一時にでもやっていくべきかそうでないか、すなわち無理やりがんばるかどうかというところに行き当たります。

 

 そうこうしているうちに、一作の小説ができあがろうとしています。なんだか原点回帰したような気持ちです。本当は、これでよかったはずなのにな、とも思います。

 ロールを負うことに疲れた、というのが本質的な問題だったのでしょうか。小説を書いているあいだ、私は何者でもなく、ただ自動機械として彼らの言葉を翻訳する装置になれます。ただこれを読んでみたいという気持ちだけで書き進められるのは何にもまして幸福で、地獄の世俗があればなおのこと、こうして筆者である私の存在理由も生まれます。ただしこれでもきっと片翼で、ほんとうは世俗から物語を守り、さばく者、それが要するに出版なのですが、それが必要なのだと思います。

 

 ほとほと記憶喪失になれればよいなとも思うのですが、生活はつづいていくし、督促もつづいていくので、きっとそのうちまたもとにもどります。そのときは、スイッチが切り替わったんかな? くらいに思ってくだされば幸いです。

 

 

【神谷京介にコーヒーをおごってみよう】

ko-fi.com

 ko-fiという投げ銭サービスです。PayPalがあれば利用可能だと思われます。いただいたサポートはとりあえず名のとおりコーヒー☕一杯分ほどの休憩をさせてもらうために使いたいです。ドル表記ですが日本円換算で普通に支払えます。

 

 もっと巨大なお金はちゃんとお金を持っているところからもらおうと、また不穏な計画を立てていますがそれはそれで別途進めていきます。ko-fiで生計を立てようなどと考えてはいません。気軽なチップ文化が日本にも広まればいいかなという願望も込めて、いつもどおり、隣を気にせずとりあえずやってみるの精神で。