超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

2023.10.24

 世の中がキモい。キモ過ぎる。金もキモい。

 だれだこんな世の中にしたやつわ。

 

 最近は、というか毎日こんなことを思うのですが、先日も話したように私個人の事情など些事に過ぎないのに、それに右往左往し、うつも再発し、督促に追われ、家賃保証会社からクソキモい電話を受けてしまったり、毎日地獄のようです。

 些事に追われていると、自分の脳が委縮していくのが明らかにわかります。ほんとうに悲しい。

 私は些事のために生きてるんじゃないのに、と思いつつも、しょせんそれだけの人間であったのだと思い知らされています。相当、前世で徳を積み忘れたのでしょう。

 

 小説で気をまぎらわせているという表現を使おうとしたのですが、それもどこかおかしい。なぜこちら側が負であり世の中が正であるかのように気を遣わなければいけないのか? 

 神と人のいない世界に用事はないのですが、いえ、今は関わる気力がないと言った方が適切なのか、そんな気持ちです。

 

 世の中はきもいですが、私は人を憎んでいません。だれも悪い人はいないのではないか? とさえ思います。いつも私はどこか総体として見る癖があるようです。いろんな記憶があるにせよ、個人的な復讐心には向かわず、人々の総体的な、広く大きな、しかし中核の部分をどうにかしたいと考えます。のんきなものです。些事がそれの邪魔をします。

 ただ、些末なことほどいとおしくもあり、生きている実感でもあります。おそらくそこに差はなく、子どもの寝顔を眺める幸せもやがて遠い宇宙につながり、また些事に帰ってくるのだと思います。でもやっぱり私は人間なので、些事をやるのはいやです。きもい。そんな暇ない。

 

 今日はどうかわかりませんが、自分のペースで、好きな人に話しかけたいです。でも話しかけてくれるのはとてもうれしいです。もう少しゆっくりします。