超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

最近考えていること(活動休止について)

※なんか、かなり具体的に書いてしまいましたが、正式な発表ではないです。まだ先のことなので、いろいろ部分整理しながら、みなさまに迷惑をかけない形で進めていきます。あくまでも個人ブログでのぼやきとして捉えてもらえれば幸いです……。

 

 

 出版活動の休止期間(充電期間)を今後設けようと考えています。

 今すぐにではなく、来年の6月~8月ごろから1年間ほどで計画しています。その後、ゆっくりと制作・出版活動に復帰していきたいです。

 

 あと1年がんばって、その後1年お休みして、また再開する、といったイメージです。

 刊行物は(休止前までのこの1年で)あと3作ほどになりそうです。

 前提として、活動休止は「これからもつづけていくため」の措置と考えています。後述する諸々の理由で、今は活動継続が困難なので、ちょっとしばらく止めておこうといった方針の中で生まれた判断です。

 

 

 この出版社が生まれたのは2020年の8月のことで、当時は「出版社名」と「ロゴ」だけのとてもちいさなスタートでした。

 その翌年、2021年の1月には著書を刊行することができて、以降もゆっくりペースではあるものの、2022年に3冊、2023年に1冊と着実に刊行ができていました。

 

 

 

 現在の活動の核となっているものは、「世瞬」という雑誌です。こちらは、私が出版に携わってきた中での成長と、出版と本の世界に対する願いをそのまま表現したような雑誌で、現在も新作を制作中です。

 

 

 

 活動休止の理由としては、以下の3点です。

 まず1点目に経済的な問題があります。

 本の制作は原価が発生しますが、おそらくみなさまが想像するより高額だと思います。近年は物価高騰により印刷費その他も上がっているのでなおさらです。

 私はもともとなんの後ろ盾もなく、そもそも「今はゆっくり休んで」と言われていた時期に出版活動をはじめ、今も主治医には週2の外出が限界なんですよね~とか言ってて「そうですね、徐々に活動量を上げていきましょう」とか言われているのに週7でバイト入れたりもしました。

 もちろん本が売れて黒字に転換できればなんの問題もないわけですが、私には商才があまりなく、自分ではいい作品がつくれたなと思っても、それを世間的な評価に結びつける力がありませんでした。そのため、つくればつくるほど赤字という状況を脱することがこの数年、ついにできませんでした。

 

 ちなみに何度か言っていることですが、1年ほど前に離婚をしました。なので、お金のことで家族には迷惑をかけれないような状況には一応なっています。経営が軌道に乗れば再婚することになっていますが、まだ遠そうです。

 

 2点目は、時間が不足していることです。

 僕はもともとワーカホリックなタイプではなく、ちなみに今でも別に猛烈に働いているというわけでもないのですが、いろいろあって個人出版社にもどってしまい、生計のためバイトも始めた中、時間的な余裕やインプットの余地がなくなっています。

 学ぶことや本を読むことが好きな私にとってはなかなかきついです。

 

 もともと私は「出版業界の人」になりたいという動機ではじめたのではなく、ただ自分の本が出したくて、いろいろあんまりよくわかってないまま出版社をはじめました。この過程で様々な実務を含めた勉強をしていくことにより、自分なりに見いだせたこともたくさんありました。

 ただ、このままではまずいかな、とも思っています。

 今よりももっと遠い場所に手をかけたい中で、今の寝て起きてPCにかじりついて週2,3のバイトでなんとか生計を立てて、という生活は改善したほうがよいのでは? と感じています。

 

 3点目は、自分の言葉を持つ準備をしたい(休止期間中に)です。

 これは一番よくわからないかもしれませんが、ずっと出版活動を行ってきた中での悩みでもありました。

 私は本を読んで知識を入れることに関してはチョットだけ得意かもしれませんが、それを不特定手数の人に自分の言葉で発信することがとても下手です。

 下手なのがわかっているがゆえに余計に発信しづらい、となります。

 結果、商機ばかりか人との縁(知ってもらうきっかけ)もみすみす逃してしまっているのでは? と考えています。

 

 世瞬舎がやっていきたいことは、おおまかには「本と読書がもっと身近な社会へ」進んでいくこと、本が好きになるきっかけづくりをしたい、ということになります。

 

 既存のマーケット(出版という約1.5兆円規模の市場)の中のパイを奪う(ベストセラーを輩出する とか)が目標ではなく、マーケットそのものを大きくしていくべきなのでは? と考えています。つまり私は、いちプレイヤーの立場であるけれど、「出版という場を大きくして、再定義して、整えていきたい」と考えています。

 また、これはなにも国内の総売り上げが上昇すれば達成ということでもなく、人々の読書に対する意識とか、そういった面も含みます。

 

 出版業界では絶えずいろんな問題が語られます。印税をもっと上げなくてはとか、本の値段はもっと上げるべきとか、再販制度は必要かどうかとか、出版社って今の時代不要なのではとか、いろんなことが語られ、また実際に改善策を実行に移している方たちも多いです。

 私も出版に関わる者として、よりよい未来をつくるために行動していきたいです。

 ただその前提となる私の「こう考えている」「こうしたい」が、一般的によく見られる論調や情緒的に納得できる筋ではないことが多く、ちょっとかいつまんで話す、みたいなことをしても伝わるはずがないなとも感じています。

 すごく端的に、示唆的に言うと、業界の問題(印税が安いとか本が売れないとか)、と捉えるのではなく、もっと大きな、人類史的なスケールで語らなければならないのではないかと考えています。経済や社会、政治、そして文学をはじめとした芸術などさまざまな論点も含めます。

 私にとって出版活動は、すごくざっくりいうと世界をよくしていくことと同義なほど大切なものととらえています。

 

 これらをブログの一記事のみで書ききるのは困難ですし、私自身も考えをまとめきれていない部分もあります。

 休止期間を使ってさらに勉強を重ね、少しずつ自論をまとめて記述していき、最終的には1冊の本になるか、ならずとも単体で作成したホームページに体系的にまとめる、くらいのことはしたいです。

 それをひとつつくってしまえば、あとはそこに書いてあることをSNS上などではかいつまんで端的に話すだけなのかなと思っていますが、その土台が今はないので、自分自身も言いたいことが言えない、わかりやすい発信ができない、世の中が悪い方向に向かっていくのを黙って見ていることしかできない、の悪循環に陥っているような気がします。

 

 

 休止期間中は、本の制作はやめて、先に書いたような勉強と自論の構築に励みつつ、債務整理をして、バイトもちゃんと家でガスとか水道水が出る程度には働きつつ、今よりももう少し人生を楽しんでいきたいです。

 世瞬舎という屋号がなくなるわけではありません(たぶん……債務整理したら強制的に? 廃業しなきゃいけないのかな……?)。既存作の販売はつづけます。

 また、普通に文学フリマに出たりとかもするかもしれません。

「新作の制作の休止」といった意味合いが近いです。

 いうてそんな休んでなくない? と自分で書いてても思うのですが、でもやっぱり自分の性格的に「休止」という看板をつけないと切り替えられない気もしています。

 

 

 一応、まだこれからのことではあるので、もろもろ整理してから正式に発信します。

 あらかた書いたあとにはなりますが、あくまでも個人ブログでのメモくらいに思ってもらえると助かります。

 

 ひとまず、このように考えているということの共有でした。

 毎度ご心配おかけしますが、見守ってくださるとうれしいです。