超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

文フリ岩手に出店します&近況報告

 今月も文フリ行ってきます(´っ・ω・)っ

 

seishunsha.amebaownd.com

 

 6月19日(日)、場所は岩手(!)わたくし東京より北に行くのがそもそもはじめてなのと、新幹線ではやぶさに乗れるのが楽しみで仕方がありません。さすがにお知り合いには出会わなさそうではあるが、新しい本と人との出会いに期待……!

 岩手周辺の方、ぜひぜひお気軽に遊びに来てください。

 

 先日告知した新刊『アイリダ』

kkamiya-info.hatenablog.com

 

 百瀬七海さんの #もしI (もしも世界から「I love you」という言葉が消えたなら)、神谷京介の『未来の言葉』、世瞬 Vol.3を持っていきます。『アイリダ』は文フリ岩手が初お披露目となります。最後まで納期と悪戦苦闘した本作ですが、予定どおりであればきっと、岩手に持っていけるはず……。装丁にもすごくこだわった本なので、ぜひ実物を見ていただきたいです。

 

 

 もしI、世瞬、アイリダと新作を立てつづけに出したところでいったん打ち止めとなりそうでして、ようやくちょっと落ち着けそうです。3月4月辺りはなかなか地獄……いえ、学びの多い時期を過ごしました。とはいえこの子たちにとってはここからがスタート。自宅と倉庫に眠っているのを、たくさんの方のもとへお迎えさせるべく、これからは営業という面でがんばっていきます。

 

 

 昨日、なにげなく今読んでいる出版の歴史についての本をツイートしたら、版元さまに見つけていただきました。めちゃめちゃうれしかったです。

 こちらの本にかぎらず、出版や出版業界に関する本は探せば意外にもたくさんあり、以前からいろいろと読んで勉強しています。

 その中でよく思うし、実際に書かれてもいるのが、出版は「商行為」であるということです。そこだけが本質ではないにしろ(それを語り出すときりがなくなってしまうのですが)、確実に本質のひとつではある。小説という媒体を出版すること、私が理想として描いている場所とは相いれない点がいくつもある、と。

 

 こう書くと商売っ気が嫌いみたいな風で、実際そのとおりではあるのですが、でもとても書きたいのは、聖も俗も取り込んだすさまじい尽力のもとに、ベストセラーや傑作が世に生まれ出るのだということです。とりわけ昭和期の版元、編集者たちは、驚くほどたくさんの本を読み、その膨大な知見と、そのまた先達から授かった金言や知見を、全力で一冊の本の編集に捧げていたらしい。なかなか、敬服するばかりです。

 売れ線、みたいなのはもちろん嫌いですが、そもそもベストセラーとは「まったく見込みのなかったジャンルを開拓して新たな売れ線をつくる」点では、既定の売れ線を狙う行為とは真逆でもあり、うんぬんかんぬん……。

 

 と、語り出すと止まらなくなるので、この辺りでやめておきます。

 

 私は俗を非常に嫌う人間ですし、それはやめておかないのですが、作家としての私と版元としての私は明確にちがうのだな、ただ共通するところもある、と(奇跡的に交わったのが未来の言葉だと思う)。作家としての私を守るために版元の私がいる、端的にいうと俗なことは版元が引き受ければいいし、ちょっとくらいのそれは楽しむくらいの鷹揚さを持った方がいいな、などと考えています。極論、私が執筆活動をつづけるために世瞬舎はあるので。

 よって、先月も書きましたが、出版社は仕事であり、小説は仕事ではない、と。

 

 

 次になにを書こうかなと考えていると、蛾が……とかササグモが……とかまた散歩中に見つけた虫の話になりそうで、なかなか狭い世界で暮らしているな、と我ながらあきれてしまいます。

 仕事をして、食って着替えて家事をして、金銭と将来のひどい不安に襲われながら眠りにつき(そんな夜はもう減ってしまい、慣れただけかも)、本を読み、虫を探し……。

 今、マクドでこれを書いているのですが、うしろでハバチが窓に翅を打ちつけていて、不憫だなとも思うし、いとおしいとも思います。

 生きている実感などはなくてもよいのですが、こういうときにそれを感じたりもします。