超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

エンタメ、外に開く力、若者たち 新刊『アイリダ』岸正真宙

 またまた新刊が出ますのでおしらせです!

 

 岸正真宙さん著『アイリダ』。

 渋谷を舞台にした青春・近未来SF・長編小説です。

 

 

 発売日は、6月20日(月)です。

 発売日前の今からでも、オンラインショップにて「購入予約」ができます。

 こちらから予約いただければ、発売日当日到着を目指して発送いたします。

 

seishunsha.thebase.in

 

 定価1,540円(本体1,400円+税)

 単行本サイズ、本文240ページです。

 また、正式な発売の前日にあたる6月19日(日)、文学フリマ岩手にて先行販売いたします。

bunfree.net

 

 あとは、都内でも6月・7月にて販売会を開くとか開かないとか……。

 

 

 岸正真宙さんは、noteやカクヨムなどにて刺激的な「ちょっとだけ近未来」的SF小説を多数執筆されています。本作は岸正さんの書籍デビュー作です。

note.com

 

 

 今回の出版にあたっては、私から岸正さんにお声がけしたのですが、それというのも、noteにて投稿されていた中編小説『パプリカ』がとても好きだったからでした。この作品を本にしたい、と思ったのです。

 ……と思ったから本ができました、ってほど平坦な道のりではなかったのですが(^^;

 そこはこれから、またおいおい制作過程などお話できればと。

 

 岸正さんの小説は、楽しげながらどこか陰を感じる、そんな作品が多く、そのちょっとした寂しさが僕は好きだったのですが、転じてこの『アイリダ』は、そこからもう一歩、二歩踏み込んだ境地を描いていただいた感じがあります。端的にいえばちょっと明るめです。

 

 ご本人は「今回はエンタメ」とおっしゃっていていましたが、外に開く力がこの物語にはあります。若者たちが自分たちで一歩、二歩踏み出して物語を紡いでいく、そんな力強さも兼ね備えた作品になっているはずです。

 

 ここからは物語の概要についてです。

 キーとなるのは『AR(拡張現実)』という技術。

 

kakakumag.com

 

 現実世界に仮想世界を投射させる、といったところです。本作では、同名の「アイリダ」という架空の渋谷限定SNSが登場します。

 

 渋谷駅に着く前に僕はグーゴルコンタクトを目に装着した。グーゴルコンタクトはグーゴルが開発した、ウェアラブル機器の一種で、コンタクトレンズのように目に直接入れるものだ。

 

 ARコンタクトやARグラスを装着して若者たちは渋谷に入ります。その瞬間、目の前の現実の景色が、アイリダでの景色に塗り替えられていきます。そして自分たちのファッションや容姿も、まるでアバターのように変化し、気軽に着せ替えもできるのです。

 

 間もなく渋谷駅というところで、僕の耳にあのファンファーレが鳴り響く。ここからが、アイリダだ。目の前に日本画の花と蝶が舞う。二次元に描かれているような水しぶきが上がり、浮世絵のような演出が始まると、僕らはアイリダの圏内に入ったということになる。アイリダIDを持っている電車内の人々はどんどん変身していく。もちろん、僕も。水島も。まるでそれは、百花繚乱の花が咲き乱れる光景であった。

 

 このアイリダの世界に魅了された若者たち、そして彼らが集まることにより新たな商圏が生まれ、渋谷の経済と文化が活性化されていく。そんな渦中に起こったある「事件」。その事件の謎を、主人公の不破芳美、水島茜音たちが追っていく……。

 華やかさとその裏にうごめくもの。若者たちと大人たち。さまざまな視点が交錯していきます。

 

 ぜひぜひ、この「あるかもしれない希望」の世界を体感してみてください。

 ということでもう一度貼ります(?)

 

seishunsha.thebase.in

 

 購入予約もぜひご検討ください。

 

 明日からはまたちがったお話もまじえていきます。