超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

目標の立て方・伝え方

津田沼でPOP UPしたのがまだ一年も経ってないのか。時間の流れは早かったり遅かったり

 

 人間味がない、というよりも人間味の伝え方が下手です。ただこれは翻って長所であるかもしれず、直すというよりはきちんと付き合っていくことなのかもしれません。

 

 目標を立てるのは楽しく、むしろそれを達成するためにやっているはずなのですが、それを(多くの人に)伝える段になると途端にうまくいきません。わかりにくいのです。

 経営計画は300年後くらいのことまで書いています。ずっと変わらない大目標というと「出版で公益に資する」ことです。

 ただどうも数年スパンの中目標らへんが抜けているか、自覚できていないようで、そこがこの出版社の課題でもありました。

 そもそも定量目標が私の中で「コントロール不可能なもの」と定義している癖が抜けないのかもしれません。

 いろいろ頭の中がいい意味で混沌としていて、勉強も楽しいですが、それだけでは経営はままならないので。

 最大の目標か最小の目標くらいしかうまく大勢の場に乗せることができず、最大の目標のほうはまだ人の目にふれても「?」となるだけなのはわかりきっているので、必然最小の目標、つまり「今日も本づくりがんばるぞ!」とかしか言えないBOTのようなアカウントになってしまうことがここ数年の苦しみでもありました。

 

「わかりやすい」「ギリギリ現実的」「チャレンジしている感じが見受けられる」

などの条件が揃わないと中目標は発表したとしても「?」となってしまいます。

 ……が、このところようやく、利息地獄バイト地獄の中がんばって生きてきたからなのか、すっと降りてこようとしています。もう少し時間が欲しいですが。

 まずはマガジン「世瞬」をどういう雑誌にしていくか、どんな人に合計何部おとどけするのか、といったものになりそうで、まずこの雑誌で突き詰められることを突き詰めて、あぶれたものをほかの本なりほかのプロジェクトにしていく、こんな感じのイメージが混沌とながらできあがってきています。

 

 最近、編集文献学の本を読み進めています。とても示唆に富む内容で、出版人としてこの本に出会えてよかったと思うほどなのですが、海を越えて翻訳版が出版されたほどの著者でも、作中によるとご自身の著書が150部~300部ほどしか(本国で?)売れてないとのことです。そんな中で今ここに無学な私が理解できるほどの平易な文で、伝えてくれている、それが糧になっていることは奇跡のようで、よりいっそうがんばろうって気になりました。

 

 一日、へたをすると数時間、数分単位で成功した人や富を得た人のダイレクトな言葉がとどく時代です。ここにおいて「10年くらい余裕でたえる!」と言う精神力・胆力は養い難いですし、養い方も誰も教えてくれません。それは金にならないからです。

 それでも私は「10年や20年くらい余裕でたえるぞ! がんばるぞ!」と言いたいです。その言葉の裏付けなのか、オモテ面なのか、そのために目標はやっぱり必要です。

 理解してくださる方、一対一で言葉を伝えて伝わる方はたくさんいます。

 でも、もっと多くの人には、でないと、やっぱりただのなんだか満足しちゃってるっぽい人に見えてしまうのかなぁとか。

 この人、これで人生上がりなのかな、と思われるのは、実はちょっと悔しいです。

 ずっと応援してくれている人の期待に応えたり、応援をやめてしまった人に「うわ、もったいなかったな……」って思われたいとかもときに思います。

 このブログはひとりごとだったり、ときに公的な発信だったりします。今回は前者のほうです。