超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

ヌマエビ

 ベランダで管理しているビオトープには様々な生き物がいる。メダカや巻貝、ザリガニ、ミズムシ、ヤゴ、イトミミズ等。その中でも最近特に活況を示しているのがヌマエビで、彼らを見るのが楽しい。

 

 ヌマエビやサカマキガイは主にデトリタス(食べ残しや死骸、糞など雑多なもの由来の有機物)を食べるのだが食べ方にも彼らの性格が出る。ヌマエビは非常に神経質でマメな感じだ。何本あるかよくわからない足を器用に使い口に運ぶ。葉っぱの上のデトリタスが徐々になくなり、まぁそれがまたヌマエビの糞にはなるのだが、これは分解作業として非常に意味のあることのようだ。「まとめときましたよ」みたいな顔をするのもかわいいところである。

 

 ビオトープの中はちいさな生態系で、ちいさな地球である。この中でエントロピーが増えたりときにヌマエビによってきれいにまとめられたりする。

 

 顕微鏡を買いたい。目に見えない生き物であればどれほどいることだろう。しかし顕微鏡を買う金がない。