超時空の夜

作家/ちいさな出版社「世瞬舎」代表 

(NFTとは?)「IRI-DO -アイリダ‐」NFTプロジェクトがスタートしました

 昨日、Discord限定オープンしました。岸正真宙さんの著書「アイリダ」にもとづいたNFTプロジェクトです。

 

iri-do.com

 かっこよすぎ。

 

 

 

 BOTも一定数いると推測されますが、合計6,000人以上の方に入場いただきました。高い関心をもってこのプロジェクトに期待いただいている方が多いようで、とてもうれしいです。

 

 このプロジェクトは、映像制作会社の東北新社さまから立ち上がったプロジェクトチームにて運営しています。私や岸正さんも運営に参加しています。

 

 NFTアイテム(アイリダの各キャラの画像データ)は今年初春ごろ発売の予定ですのでもう少々お待ちいただきますが、先行して優先販売リストの配布イベントやDiscordの一般開放も順次行っていきます。

 

 とてもとても楽しいプロジェクトですので、ぜひ気にしていただけたらと思います。

祭り状態のDiscordと対応に追われるKyosuke(31歳男性 出版社勤務)

 

 

 NFTってなに?

 世瞬舎をふだん見守ってくださっている方の中には「NFTってなに?」「聞いたことはあるけどよくわからない」といった方もいらっしゃるかと思います。

 

 NFTとは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略称です。

 ネット上の画像などあらゆるデジタルデータは性質上、コピーし放題ですが、ブロックチェーンという技術により、デジタルデータに所有者の情報などを固有に記録することが可能となりました。技術的なことは私も勉強中で隅々まで説明できるほどではないのですが、ざっくり所有者情報や権利の移動記録などが保持された画像データという感じです。

 

 一昨年あたりから「コレクティブNFT」という、ランダムに生成された画像のコレクションを販売・運営するプロジェクトが増えてきました。
 今回のアイリダプロジェクトもこれにあたります。


 アイリダNFTを購入いただいたみなさまとDiscord内でコミュニティをつくり、NFT購入資金を原資にしつつ、アイリダの魅力的な世界観をより拡大し、もっと楽しめるような試みをやっていきましょう、というものです。

 これらのNFTをコミュニティの共通記号にして(Twitterなどのアイコンにしていただく方も多いです)このプロジェクトを一緒に盛り上げていこう! みたいな感じです。

 

 

 

アイリダでARコスプレをした姿(アカウント)の画像データ1点1点を購入できます。これらを「自分のアカウント」としてなりきり遊びを楽しもうよ! という。

 

 

 ほかのプロジェクトの例でいうと、二次創作やファンアートを楽しむであったり、アニメ化を目指していたりなどさまざまですが、共通していえるのは「買っておわり」ではなく、NFTホルダーとして一緒になってプロジェクトの発展をつくっていけることです。

(これもプロジェクトによりけりとは思いますが、アイリダプロジェクトでは、個々人に明確なノルマがあったりとかそういうガチガチな上昇志向を目指しているわけではないです。あくまでも一緒に楽しみましょうという)。

 

 新しいエンターテインメントの形 とすれば、さらにわかりやすいかも。

 

 著名な美術家のNFTアートが何億で売れたとかそういう派手なニュースばかりが話題になりがちなので、この「新しいエンターテインメントの形」的な要素は、熱心なNFTファン以外には見えにくいのかもしれません。事実、転売目的でNFTを購入されている方もたくさんいるようです。
 法的な解釈もまだ未整備な点が多く、暗号通貨(イーサリアムという通貨がNFTでは主流です)の取引はなかなか慣れないと大変なのですが、それらのハードルを乗り越えればけっこう楽しい思いができるかと! 

 少なくともアイリダプロジェクトは良心的です。自分たちでいうのもアレだけど……。

 

🔔アイリダをこれまで読んでいただいた方の中で、このアイリダNFTに少し興味あるけどやり方とかNFTとかいろいろわからないという方がいらっしゃれば、お気軽に連絡ください! もともと超疎かった私ができるかぎり丁寧に説明しますね🔔

 

 

 外に広げるということ ー世瞬舎、はじめてのメディアミックスー

 今回のプロジェクトは世瞬舎が主催するものではありません。あくまでも東北新社さまから立ち上がったアイリダプロジェクト(制作委員会みたいな)が主催です。小説が原作としてドラマ化・アニメ化されました、といったものに近いです。

 

 先にも書いたように世瞬舎と岸正さんはプロジェクト運営に参画しており、チームのみなさまは原作をとても尊重して企画を進めていただいています。私が提案したものが採用されたりもありますし、岸正さんはキャラの原案に日夜頭をひねってくれています。基本的に「岸正さんの頭の中を具現化しよう」がベースで動いていただいています。

 

 その点においてもとても良心的で「権料だけもらって、あとはどうなるかわからん」みたいな、人気アニメが実写化されて炎上するみたいなやつではまったくないです。イメージとしては、原作で描かれていた世界をベースに、その周辺のできごとを描いたり、より詳細な設定などをつくっていこうといった感じです。

 

 とはいえ、根本の建付けは二次利用(メディアミックス)。さまざまなことがらをすべて私が決定できるわけではありませんし、事業活動なので収益を最大化するためのあらゆる手を尽くさなければなりません。あ、こう書くとなにか不服があったかのように聞こえますが、そうではなくて。

 

 世瞬舎の作品を、世瞬舎以外の方々に責任をもって引き受けてもらうはじめての経験なのです。

 まちがいなく当社だけではできなかったさまざまなことが起こっています。このなんともいえない、本が自らの手を離れて自律していくようすは、ワクワクもありつつ、少しさみしくもあります。総じて貴重な経験です。

 

 私はつねづね「この世でもっとも優れた作品は、だれにも読まれない物語である」と言いつづけてきました。それは変わっていません。今回ありがたいことに多くの方の目に留まりましたが、そうでなくとも根っこの価値は変わらないはずです。

 同時に、それを知った上でなお「外に開いていく」、この本たちを人の手にわたしていく。

 表現したものは、その瞬間から自らの手をはなれていく。そのようすをとても象徴的に見ることができています。美しくも少しさみしい。これこそ出版活動(Publishing=公共化する)なのかもしれません。

 

 どのように広がるのか、どんな景色が見れるのか。ドキドキ、ワクワクです。できるならば、これまでと変わらず一人一人との出会いを大切にしたいです。昨日のDiscordでも、たくさんのはじめましての方と会話ができました。アイリダを通したよい縁がこれからもつづくことを願っています。

 

 

 まとめ

  • NFTは新しいエンターテインメントの形(少なくともこのプロジェクトはそうしていきたい!)
  • 作品が手をはなれるということについて

 

 最後に

 原作小説です。とてもおもしろいです。ぜひぜひ。NFTから入った方は、アイリダがどういう世界なのか、ここでどんな人が生きているのか、深くまで知ることができると思います。

 

seishunsha.thebase.in

 

 

 

 岸正先生も短編小説「リコリスの唄」を寄稿。文芸誌「世瞬」。

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