新作のお知らせです。
ノベルマガジン『世瞬』。2021年から発行をはじめた本誌は、今回「Vol.4」となりました。前作の進化もすごかったですが、さらにさらにすさまじく進化してしまいました。
世瞬 Vol.4
著者:神谷京介、千羽はる、涼雨零音、水町翠、坂城ちはや
表紙:陣内時雨(モデル:小林莉沙)
発売日:2023年3月17日
価格:税込み950円(本体価格864円+税)
さまざまなアプローチで「小説の楽しみ方」と「本の世界」を解体・再定義する。
野心的だけど青春でというなんとも不思議で楽しい雑誌です。
小説の楽しみ方って?
もちろん、ものの楽しみ方は人それぞれです。しかしながら「結局人それぞれだよね」で社会のすべてが終わっていたら、どうもなりはしないのだよな、ともまた思います。意志とは断定する両刃で、知とはその周縁に広がる無限に近い粒子や波のようなものです。
この本に書かれた「小説の楽しみ方」は、人それぞれの楽しみ方のそのひとつであるのかもしれませんが、それでもなお「普遍的な小説の楽しみ方」を表現しようと試みました。
心掛けたのは、けして「楽しみ方」を「教える」ではないということです。千差万別の知の世界である本に、定まったなにかを与えることはすべきでないです。
一緒に楽しみましょう、がしっくりくるかも。
でもそれだけでもないです。
この本に散らばらせたたくさんの「問い」を、ぜひ見つけていただければ。
やりたかったこと、結実したこと
普遍的であるのと、凡庸であるのはちがいます。
私にとって普遍的なるものの象徴はやはり本の世界です。ここにはすべてがある、とまでは言わず、空隙があるからこそ現実と物語はつながるわけなのですが、それでもなお、本は人智にとってなくてはならなかったものです。ここに集まった物語もまた、とても美しい輝きを放っています。
高校生のころの私がこの本に出会えていたら、とさえ思います。それくらい、この本にはたくさんの思いを込めました。
クラウドファンディングの際にも書きましたが、私たちは本を「文化的なインフラ」と定義し、こちらの世界の楽しさを「まだ伝わっていない人に伝える」という活動をしていきたいと考えています。
いまやちょっぴり「普遍的」の位置から縁遠くなりかけている本の世界を、今一度ここにもどしたいと考えています。
こう書くとなにをおおげさなと言われるのかもしれませんが、たいしたことは言ってないのです。一緒に本を楽しみたいね、というただそれだけです。
「今よりももっと、本と読書が身近にある社会へ」
たくさんの人に本と読書の魅力を伝えて、こちらのこの世界のことを感じてもらいたい。趣味が読書の人を増やす、ではなく、生きることそのもののそばには本がある社会を築いていきたい。この数か月制作に取り組んできましたそれは形となり、ようやく結実しました。
あとは世に放つだけ。みなさまのもとにおとどけできる日がとても待ち遠しいです。
本の世界に新しい灯りを。
その出発の書として。
(こちらから【購入予約】ができます! 発売日に発送いたします。)
このブログではこれからも少しずつ「世瞬 Vol.4」に関する情報を発信していきます。よければお付き合いくださいませ。